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Yamax Monorogue

デジものレビュー中心で徒然なるままに・・・

「同一労働同一賃金」の裏を考える

時事
安倍首相が同一労働同一賃金の話を持ち出した。

これまでの雇用慣習に合うかと言われると疑問は残るが、考え方そのものには個人的には賛成。
しかしながら。
うがった見方で申し訳ないが、これまでの流れを見ていると、安倍政権が純粋に労働者のためだけにこういった話を持ち出すとは思えない。
 
【正社員の賃金を下げる?】
どう見たって大企業経営者寄りの政策を打ち出す安倍政権
パート・派遣の賃金を正社員並みにアップさせたら製造業も小売りも、経営が成り立たないのは目に見えている。
例えば、パートタイム店長の時給が、正社員店長並みに上がるとは考えにくい。
せいぜい、パートタイム店長の時給が上がり、正社員店長の給与が下がる、というのが落としどころのような気がするのだどうだろう?
 
【職能給→職務給への移行は隠れ蓑か?】
同一労働同一賃金を唱える為の前提には、「この労働はいくら」という職務給への移行が必要だ。
雇用形態に関係なく、「店長」という仕事の給与はいくらかが決められる。
現在の給与体系のまま、不利益に給与を下げたりすれば、相応の理由がないと不利益変更となる。
新たな体系への移行となれば、ある程度の期間の激変緩和措置を設ければ(言うほど簡単ではないにしろ)、賃下げが可能なのではないだろうか?
なにしろ、スタートはパート・派遣社員の待遇改善という、基本的に反対しにくい提案だ。
パート店長が納得するような「店長」としての職務給を定める。追々、正社員であっても「店長」だったらこの金額でしょう! という話をはじめる、という筋書きではなかろうか?

基本的に財界・経営者寄り(と個人的に思っている)の日経新聞でもこの扱い。職務給設定の難しさには触れているものの、人件費の高騰による経営への影響は触れられていない。

 

【TPPを意識しているのか?】

職務給と職能給に関する人事院の説明資料。

http://www.jinji.go.jp/kyuuyo/kenkyukai/sankousiryou/31.pdf

出典は平成7年の労政時報とのことで古いが、言葉の定義を理解するには問題ない。
「アメリカ型の賃金決定方式」と一言で片付けられるほど、シンプルでないことは重々承知だが、ざっくりと言うならばそういうことだ。

パートの待遇改善を皮切りに、現在の労働時間を重視する給与だけではなく、職務内容による給与設定もOK、ということに労働法を変える。そうすれば、アメリカ型経営者が乗り込みやすい(こちらの方が重要)環境を整えることに繋がる。

 

【もちろん良い面も】

日経新聞の記事が端的に表しているように、良い面も多いし、前述の通り、個人的にも反対しているわけではない。

しかしながら、安倍政権の動向は、純粋に日本国民の国益になっていないことが多いように思えるので、うがった見方をしてみた。

政権の安定や、一部の層だけの利益になるような事に繋がることがないかは、常に有権者が意識する必要があるだろう。