Yamax Monorogue

デジものレビュー中心で徒然なるままに・・・

自民党 漫画政策パンフレットについて考える

自民党のHPに漫画制作パンフレット「憲法改正ってなあに?」が掲載されている。

あちこちで話題になっていたようだから、ご存じの方も多いかと。

読まれた方はどう思っただろうか?

個人的な感想を、誤解を恐れずに言うとすれば・・・

「馬鹿にしてんのか!?」である。

 

別に憲法を絶対に変えてはならない、というつもりは毛頭無い。

必要なものは変えていけばいい。

しかし、この漫画の中では憲法改正をすべき、という理由は大きく二つ。

・古いから

・アメリカから押しつけられたモノだから

もちろん、内容にも(ちょっとだけ)触れてはいるが、どう見てもこじつけのように思える。

例えば・・・

この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ

という憲法の文言を

「公益に反してなきゃ個人の幸福を追求するために何でもやっていいってこと」「ほかの人の人権を侵さなければ何をしても自由」「日本の憲法個人主義的」

と解釈するのは、はっきり言って「やっちゃだめってどこに書いてあんだよ!」という小学生の悪ガキと同程度である。

また、登場人物の台詞で以下のようなモノがある。

敗戦した日本にGHQが与えた憲法のままではいつまで経っても日本は敗戦国なんじゃ

言葉として「そうかも・・・」と思わなくもないが、具体的にどこが日本を敗戦国たらしめている内容なのか、という指摘はない。

護憲派がよく言うように「日本人が考えた『大日本帝国憲法』が必ずしもよいものだったのか?」という論点もない。

そもそも、憲法に書かれていない「日米地位協定」こそが敗戦国の象徴ではないのか?

一応改定を検討しているようだが、実際には米軍基地の環境保護程度の話を進められずにいる。アメリカ有利の取り決めには文句を言えず、国内向けだけ敗戦国色を払拭することをうったえるなんて片腹痛い。

なんとなく「変えた方がいいんじゃないか」と思わせるためだけの、謂わばイメージ戦略でしかないこの漫画。

もちろん「これは誰にでも分かりやすいように、とっかかりとして書いたモノ」ということだろうと良心的に解釈はするが、それにしても陳腐。

 

物事の出自と善し悪しは必ずしも関係ない。

戦勝国が押しつけたモノであっても善いモノは善い。もちろん悪いモノは悪い。

イメージ戦略のような姑息なマネをせず、きちんと自分がやりたい国作りをアピールすればいい。善いモノであれば国民はついていく。