Yamax Monorogue

デジものレビュー中心で徒然なるままに・・・

「責任をとりたくない責任者たち」

機動戦士ガンダムUCのアンジェロ大尉の言葉である。

「今頃は対応を決める話し合いが持たれているだろうさ。
 責任を取りたくない責任者たちの間でな」

 昔からそうだけど、特に安倍政権になってから、この言葉が頭に浮かぶことが多すぎる。

ものすごい違和感を感じたのは昨年末の高浜原発再稼働に纏わる安倍首相の発言。

「再稼働のみならず、防災対策、廃炉、使用済み燃料対策、立地地域の振興など課題は多岐にわたる。政府として、これらに責任を持って取り組む」

 福島の原発事故に関する責任、というのはどのようにとられたのだろうか?
3.11から既に5年。未だ避難生活を続ける方々がいる状態は、『政府として責任を持って』取り組んだ結果、と言うことなのだろうか?
政府としての責任はここまで、ということか?
それとも、少なくとも新聞報道での首相の言葉に「安全」とか「非難」とか「住民の生活」という言葉は出てこないことに鑑みるに、それらは政府の責任ではない、といっているのか?

驚いたのは、福井県知事が「政府が責任をとるとおっしゃっていただいたので・・」的な発言をして、再稼働に同意したこと。
「責任」の範疇がどこまでなのかの明言もなく、少なくとも現状をみるに、住民の生活に関しては「責任」をとっている実績も、その意思も覗えないというのに?

甘利大臣の件での「任命責任」、安保関連法やTPP関連の「説明責任」等々、自身の「責任」を強調するものの、「責任をとる」とか「責任を果たす」とかいうことについては、まったく関心が無いとしか思えない。

その風潮は首相だけでなく、大臣・議員達の言動にも伝播している。
辞めればいい、というつもりは毛頭無いが、かつてであれば、辞任に追い込まれた言動を平気でおこなって、問題になれば撤回して・・・
それなりの立場にある人の言動はそれなりの影響力を持つ。撤回すれば言ったことがなくなるわけではない。それなりの立場に伴う「責任」をどう考えているのか・・・

いやいや、考えるつもりもあるまい。最高責任者たる首相が「責任」を曖昧にしているのだから。